即身成仏義
即身成仏の頌




昭和八年発行
真言宗全集・即身成仏義部分


祖師空海はこの「即身成仏」を仏法の中核真髄と位置づけその論拠に密教教義編纂といっても良いぐらい数々の経典類を引用している。
祖師空海はどこまでも続く勉強家だったにちがいない。即身成仏義の頌とは即身成仏のエキスなのだ。

弘法大師空海

774年讃岐国で誕生したといわれている幼名、 真魚。今で云えば中流家庭か、大学に進学するも大学で学ぶことは古くさく何の役にもたたないと言い放ち行方をくらまし6年間山野霊山を巡っていた通説。かの「もののけ姫」より500年もの昔の奈良時代の山野霊山とは、当時の人間模様とはどんな風景だったのだろうか。また遣唐使節以前の密航説ロマンや現在まで色濃くある数々の伝説。
804年31歳の時。命がけの遣唐使節に加わり恵果阿闍梨より両部大法の灌頂を受け遍く一切の伝法を授かり806年33歳で帰国。帰国に際し密教の教義・事相に関する諸々の経典・曼荼羅・仏具・仏像等々どれも最新の法灯を持ち帰った。
ドロップアウトの時期が在るも留学僧として遣唐使節に参加できた事。留学契約期間を18年も前倒しして帰国できた事など不可思議の史歴もあるが、当時の世界最高の文化文明も輸入したと思われる。そして帰国後はキャリヤ僧となり真言宗開祖祖師となる階段を上っていく。

沙門空海如何おわす

六大無碍にして常に瑜伽なり
四種曼荼おのおの離れず
三密加持すれば速疾に顕はる
重重帝網なるを即身と名づく

法然に薩般若を具足して
心数心王刹塵に過ぎたり
各五智無際智を具す 
円鏡力の故に実覚智なり



この地あの場に隔たりなく常に息吹きあり
凡て縁を離れず生かされて
思うも行うもネタはよく似ているし
いんじゃないかこの辺りで
なのか
まだまだ遠い向こうか





即身成仏の頌

2006.1.23


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